2016年
いわゆる歯科学術雑誌には移植歯の歯髄は血流が絶たれるので壊疽を起こす。 従って抜髄しなければならないと多くの歯牙移植専門家?(海外文献翻訳家も?)の意見だ。
私も抜髄をしなければとは思っていたのだ。しかし歯内療法は自費となる。 しかしながら私の診療所に来る患者さんは自費治療をやりたがらない。
そこで半年位の経過観察で根尖病巣が消えない場合や違和感が取れない場合は治療することにした。 ところが多くの(50%以上の)症例で問題なく経過してしまう。
もちろん経過観察中にレントゲンを取って、歯根膜空隙や根尖が骨透過像として写る場合は抜髄した。
「つまり移植歯の歯髄は必ず除去しなければならない。」と言う現在流布されているプロトコールには科学的根拠はない。
私は研究者では無いので、大学の専門の病理学者が、人でなく犬とかでしっかり研究しなければならないと思うのだが、 多くの大学の専門家は海外文献を翻訳して、紹介するだけなのであまり当てには出来なかった。
つまり私が言いたいことは{歯根完成歯の歯髄は脈管が成立しなかった場合は除去(=抜髄)をしなければならないが、 脈管が成立する事があるので,それは必要条件ではない。
歯髄処置は1−3ヶ月経過観察する事で判断すべき。それからでも遅くないと思う。
また歯髄を生かすには移植手術のテクニックにも影響される。
そのノウハウは簡単で、いかに早く(数秒以内)移植歯を血液で満たした移植床に入れるかにかかっている。
もちろん再現性は「STAP細胞」を作るよりも簡単???。だれでも出来る???。
成功はSpeedが命(⌒_⌒)。歯根膜や歯髄のような小さい組織は死ぬのが早い。
哺乳類のオスのあれだって数分経つと、すぐに動かなくなるんだよね!。
もしあなたがオスならば、試してみれば!
詳しくは「できそこないの男たち」 (光文社新書) 福岡 伸一 (著)
2014/03/17 記 国井敏一